「こんな綺麗な場所でこんなもの広げる意味ないよね」

 そう言って、和登さんな離婚届を勢いよく破った。

 あまりに衝撃的な光景で、今、和登さんがなにをしているのか分からなくて言葉を失う。

 和登さん、私と離婚したかったんじゃないの? だから今日それを持ってきたんじゃないの?


「和登さん、なんで?」

「手術、成功したから」

「……そ、それはそうですけど……」

「亜矢を愛してるから、離婚する気なんて元からなかった。とりあえず受け取って、手術は絶対失敗しないって思いで、ただただ頑張った」


 私をどう説得しようかこんなに考えてくれていたのに、自分のことばかりで和登さんの想いに気づけなかった。

 やり直したい。

 今まで逃げてきた分、今からちゃんと向き合いたい。