頼んだのはフランス料理。スペシャルランクの黒毛和牛コースで、他にも新鮮な産地直送の魚介類、新鮮な野菜が使用されているサラダなど、全てとても美味しかった。
そして窓から見える景色もとても綺麗で、庭園は美しい花や整えられた木々、真ん中の池には色とりどりの鯉が泳いでいた。
時刻が二十一時を過ぎているにも関わらず、ライトアップが綺麗に散りばめられているおかげで外が真っ暗で外が見えないということがない。
ベリが丘の存在が夢の街だけれど、その中でも最も夢の街にきてしまった感覚だ。
料理を済ませた私達は庭園へと向かう。
天気予報によると、来週から梅雨に入るらく、カーディガンを羽織るだけでちょうどよかった。
和登さんと一緒に庭園のベンチに腰掛ける。こんな素敵な光景を直接目にできて、こんな幸せがあっていいんだろうか。
「和登さん、ありがとうございます。こんな素敵な場所に連れてきていただいて」
お礼を口にすると、和登さんもにっこりと微笑んだ。
「ううん。俺もビックリした。予想以上に綺麗だったから。亜矢と来れてよかった」