私はまた和登さんと赤間さんと三人で暮らせることになった。
その晩、「亜矢、今から会員制のオーベルジュに行ってみない?」と、当直明けだったにも関わらず元気な和登さん。嬉しそうに私に質問をした。
ベリが丘オーベルジュ……聞いたことがある。
どこかで強く想っていたような気がする。
「あっ! 術中眠っているときに私が行ってみたいと思っていたところです!」
「眠っていたとき……そんな夢を見てたんだ?」
「はい。和登さんと行きたかったな、って思っていたんです」
「俺も。オーベルジュだけはまだ一緒に行けてなかったから、ここの庭園が綺麗らしくて、亜矢と一緒に行きたかったんだ」
和登さんの『まだ行けてなかった』と言う言葉に違和感を感じた。
「でも和登さん会員って……」
「ネットで会員になってただけ。どうせなら特別な時に行きたかったから」
他の女の人と行ったのかもしれないと、嫉妬をしていた私の不安をすぐ解消してくれる。
和登さんの想いに嬉しくて胸が張り裂けそう。