手術当日を迎え、チーム羽倉、本田先生、小川先生、今日担当する医師全員で亜矢のところに術前の回診に向かう。
「亜矢ちゃん、昨日は良く寝れたかなー?」
仁田先生と柳先生は亜矢に元気よく挨拶をしている。
こんな挨拶をされたら不安な気も紛れそうだ。
亜矢の術前の状態を把握するために、色々と質問をしていく。
亜矢の顔色もよく、昨日は良く寝れたらしい。
状態チェックや再度手術の説明を終えると、仁田先生は俺に気を遣って他の医者を連れて病室内から出て行った。
そんな仁田先生の気遣いに感謝しつつ、亜矢の元へ近寄り椅子へ腰掛けた。すると亜矢が俺の目を見て話しだした。
「私、以前、和登さんに酷いことを言ってしまってごめんなさい。ずっと後悔してたんです。和登さんのこと好きなのに、大切なのに、自分勝手な理由を押し付けてしまってごめんなさい」
亜矢は、ずっと自分の胸に秘めていた後悔をぽつりぽつりと話しだした。