当然、
「秘密にしては失礼すぎます。小川先生本当に訴えますよ」
いい気がしない赤間さんは言葉の揚げ足をとる。
「スミマセン、それは勘弁してください! いや、えっと、赤間さんに禁欲を強いられてるって絶望してたのを知ってるんで、つい……入籍までしたのに禁欲って……ぶっふ」
小川先生は赤間さんに恐れて白状した。
和登さんは顔を真っ赤にして小川先生に深いため息を吐いた。
ここで夜の事情が明かされるとは思わなかった。私まで顔が赤くなる。
「ほぼ冗談のつもりだったのですが、本当に実行されていたのですね、申し訳ありません。部屋が離れすぎているせいでしゃべり声も物音も聞こえませんし、この間、カップが割れた音すら聞こえませんでしたので。申し上げたことをすっかり忘れてました」
近くに患者さんがいないということもあってか、絶対病院で言う話ではない会話が繰り広げられている。