爆笑するお義父さんとは違い、「屁理屈って……」とショックを隠せない亜矢。
……ごめん、屁理屈は言い過ぎた。
その後もお義父さんとお義母さんと楽しく話ができ、美味しい御飯を食べた後、役所に行ったり不動産に退去する旨を伝えたり、ガスや電気や水道会社に連絡したり、こっちにいる間に手続きできることは全て終えた。亜矢のアパートの引っ越しの荷造りもだいぶ進んだ。
「和登さん、ごめんなさい。全部付き合わせちゃって。おまけに部屋の掃除まで一緒にしてもらって」
床を濡れタオルで拭いている俺に申し訳無さそうに謝る亜矢。俺は手を止めることなく亜矢に伝える。
「部屋の掃除ってしてもらえる人にお願いしてたからあまりしてこなかったんだけど、こんな楽しいんだな。無心でできる」
亜矢は引っ越し作業のため、もうしばらくこっちに残ることになった。俺は明後日からまた仕事だ。新居も明日から入居可能だが、まだ手続きとかも残っている。明日の朝には戻らなくてはならない。
少しの間、亜矢とは離れ離れで生活することになる。