5人みんな、極度のビビりで間違いない。

もちろん私も「お化け屋敷ムリ~」と入り口で逃げだすほどの、とうふ級メンタルの持ち主。



スマホを持つ手がガクブル震えて。

110の最後の数字を、指で押そうとした瞬間だった。



「虹湖~ 寒すぎだから開けてくれない?」


やたらツヤっぽい男性の声が聞こえてきたんだ。

カーテンが閉まっている、ベランダの窓の外から。



この声は!



ハッとなり、思考が停止した私の手からスマホが床にボトン。


「お兄ちゃんたちがクリスマスプレゼントを、届けに来たよ~」


次に聞こえてきたのは、ランラン跳ねるような陽気声。



えっ? 空耳だよね?

クリスマスだし、サンタさんがイケボを聞かせてくれたのかもしれないな。



なんて、現実逃避をしてみたけれど……



「ねぇ虹湖。俺たちが風邪をひいたら、明日の生出演をドタキャンしなきゃいけなくなっちゃうんだけど……」


「居留守つき通す気? 笑い声が聞こえてたから、虹湖がいるってわかってるんだよ。とりあえず部屋に入らせて!」