「ちょっと、どこに行く気?」


「黙って足だけ動かしてろ!」



勇大に無理やり連行された場所は、誰もいない空き教室。

普段から吊りあがっている勇大の目が、怒りの炎を燃えたぎらせている。



勇大はドアを閉めると、手のひらでドアをバンと叩いた。

破壊しそうなほどの爆音が教室中をかけ、怖くなった私は身ぶるいが止まらない。



「ゆっ勇大、何を怒ってるのよ」


「薄っぺらい友情ごっこ、やめてくれない」


「……えっ?」


「見ててイラつくんだけど」


「友情ごっこってなんのこと?」


「りん友なんて、今すぐ解散しろってことだよ!」


「ちょっと、意味がわからないんだけど」


「それが無理なら、虹湖(にこ)だけ今すぐ脱退な!」


「なんで勇大に、決められなきゃいけないの?」


「あんなの、一人でいるのが淋しくてつるんでるだけの、弱虫集団だろーが!」