それからの私は、りん友ルールに縛られるようになった。



教室にいる時は、桃花ちゃんとビビシャワの尊さを語っていることが多いんだけど。

たった10分の休み時間にも、りん友たちは私のクラスに来たりするようになって。



「ニコ、一緒にトイレ行こう」


「私のりん友、借りてくね~」


桃花ちゃんとの会話を遮って、私を教室の外に連れ出すように。




ものすごく勇気を出した桃花ちゃんが、失恋の悲しみを私に話してくれていた時なんか


「ごめんね。今、桃花ちゃんと大事な話をしてるんだ」と、りん友に謝っても


「えー、約束やぶる気? 他の友達より、りん友が優先だって指切りしたでしょ?」


りん友ルールをかざされてしまって。

従うしかなくて……




そんな日々が続いていた12月のある日。

情けない私が目に入ることに、耐えきれなくなったんだろう。


「ちょっと来い!」


同じクラスで幼なじみの勇大(ゆうだい)に、腕を引っぱられた。