家につき、
何気なくつけたテレビでやっていた
ドラマの再放送を、
ソファーの上で
ぼんやりながめていた。
ピーンポーン
インターホンの音が響く。
「…はぁ〜い」
眠い目をこすりながらも
急いで玄関に向かい、
チェーンをかけてドアを開ける。
「こんにちは」
そこに立っていたのは、
白いひげを生やし
丸い眼鏡をかけ
黒の燕尾服を着て
優しく微笑むおじいさんだった。
「あの…どなたですか?」
よくドラマで見る執事のような
格好をしている。
こんな人があたしに何の用かな…。
「私は城の使いの者です。
高倉希美様ですね?
お迎えに上がりました」
城の…使いの者…?
ますますドラマなんですけど…。
つかあたしの名前知ってるし。
「あの…
どういうことですか…?
何であたしのことを??」