杏奈はそれに構わず話し始めた。
「どういうこと!?
希美、来週の休みはデートだ
って言ってなかったっけ!?」
目を丸くしてあたしに詰め寄る。
まぁ…
予想通りの反応なんだけど。
「うん…。
でも昨日メールが来て…」
悠介からのメールを
杏奈に見せた。
杏奈はメールを凝視して
動かない。
「あ、杏奈…?」
「…っそ、ゅぅすけ…」
「は…?」
ガタンっ
「クッソ悠介ぇ!!!!
あいつ希美を何だと
思ってやがんだ、あ゛ぁ!?
一発しめたろか、野郎が!!」
店内が一瞬にして静かになった。
「…あ、杏奈っ!!ちょっ」
勢いよく立ち上がって
大声で叫んだ杏奈。
店にいた人全員が
こっちを見ている。
あたしは
ここにいてはまずいと思い、
素早く杏奈の手を引いて店から出た。