「とにかく、崇さんを頼んだぞ」

「頼まれません。きちんと引き継ぎと今後もフォローをお願いしますね」

「わかってるよ。とにかく、佐々木部長の件は本当に助かった。ありがとう。さっき崇さんからも連絡が来ていた。お前のこと褒めてたぞ。俺はまた怒られたよ。全部仕事をお前に振って逃げたからな」

「自業自得です」

「いいんだ。支社にお前をやって、結果辞めさせずにすんだ。とにかく早く戻ってこい。御曹司は忙しいからな」

「……わかりました」

「ああ、じゃあな」

 昼休みがなくなりそうで、急いでご飯を食べる。難波さんがこちらをチロチロと見てる。立ち上がって、私の横に座った。

「香月さん、本部へ戻るって本当です?」