「うん、よくまとめてあるな。しかもピンポイント。お前こういう才能もあったのか。これは使えそうだ」
「……あ、ありがとうございます。辰巳さんの指示が最近明確になってきたのでそのせいです」
「とりあえず、佐々木部長の解雇は決定。その後の人事はそうだな、今回のプロジェクトがうまくいったら坂本課長を昇格させてもいいんだが、香月お前、坂本課長のプレゼン資料も作っているらしいな」
「え?あ、そうです」
「彼とは同期とか……」
「あ、はい。こちらに来てから色々と助けられました。すごく頼りになるし、いい人なんです」
眉根を寄せた御曹司が私を見た。
「……ふーん……」
「あ、それで坂本課長のプレゼン資料を作りたいんです。実は昨日からやるはずだったのにできなくて、今日中なんです。明日先方へ持って行くので……」