「あはは……」

 綺麗な笑顔。びっくりして見とれてしまった。するとニヤリとしていつものように意地悪を言う。

「お、俺に見とれてるのか?香月。これからはタダで毎日見放題だぞ。よかったな」

 この人、こんな冗談も言える人だったの?驚きすぎて口を開けてしまう。

「ほら、見とれてないでやるぞ。さっさと部長のことを片付けて本部へ帰るぞ」

「あ、それですけど、部長が出社停止になったということは……」

「辰巳に聞いてきたが、データを送っていたそうだな。証拠固めもしたんだろ。やるなあ香月。探偵にもなれそうだ。使えるじゃないか」

「……そ、そうですかね?」

 また、嬉しそうにこちらを見てる。なんか、調子狂うな。

「俺に見せろ」

 そう言われて、隠していたファイルを崇さんの前に出した。緊張する。ふと、目を上げて私を見た。