「……でも」
「それに、お前は社内営業部にとても評判がいいみたいだな。アメリカに来ていた第三営業部長がお前を秘書にすると話したらとてもいいんじゃないかと言ってくれた」
「あの方は昔の私もご存じだからです」
「そんなことはないぞ。自信を持てよ。そんなお前だから側におきたいんだ。お前のことは俺が守るから安心しろ。父のことは俺に任せておけ」
「わかりました。とりあえず、ご迷惑をおかけしない程度に頑張ってみます。よろしくお願いします」
私を見て、いたずらっぽい目を輝かせた。
「へえ。そんな加減が出来るのか。さすが元専務秘書」
「やめてください!」
頭にきて、つい大きな声を出した。