「菜々?とにかく本部へ帰るんだよね?楽しみだわ。待ってるからね」

「……私、正直帰りたくない」

「そんなこといわないでよ。私はすごーく寂しいんだから」

「崇さんは、辰巳さんを外してしまって一時的に困ってるだけだと思う……こき使われるのが目に見えてるんだもん。大変すぎる」

「確かに。辰巳さんもこのままとは思えないから、戻ったらしれっと元サヤなんじゃないの」

「……確かにそうだよね。私ひとりで出来るはずもない」

 辰巳さんを崇さんが更迭なんてできるはずがない。今だって絶対不便だろうに。

 そういえば海外にどうして連れて行かなかったのかな?

 翌朝。そんなことを考えながら自販機のコーナーでいつものミルクティーを押した。