「今後の問題?何です?」

「専務と考えてきた新しい榊原の形が俺の未来だ。総帥継承問題が目の前に来ている。父の意向を断れない辰巳ではなく、専務のやり方をよく知っているお前と一緒に新しい俺の時代を作るんだ」

「そんな……無理です!それに、大体女性秘書は総帥がお許しになりません」

「とりあえず、父が心配していることを適当にごまかしてきた。香月を『そういう対象』として考えて異動させるわけではないと言ってきた。だから心配はいらない。一緒に本部へ戻るからな。俺の秘書になれ」

 私は崇さんの『そういう対象』という意味を理解して、息をのんだ。どうしてそんな話になるの?だから心配はいらない?

「そういう対象にならなくても、ダメですよ!総帥だけでなく、秘書課の女性、男性全員が私なんて反対します。だからここにいるんです。さっきの支社長の話を聞きました?私は知りませんでしたけど、やっぱりと思いました」

「だから、お前のことはもう俺が父に話してあるから心配ない。お前は本部へ俺と一緒に戻るんだよ」

「御曹司は女性秘書をつけてはいけないんですよ!」