「私がコーヒー入れます!」

 おおー、右腕をピンと耳につけて綺麗に挙げている。

「ええっと……それはいいけど……」

「お任せ下さい!」

「じゃあお願いね」

 コーヒーを入れてくれるのは、ある意味助かったかもしれない。

 急いでパソコンの前に座ると例の書類をざーっと確認する。まさか、見てもらえないとは思わなかったので、一応誤字脱字や表がずれていないかなどを確認する。うん、大丈夫。よし!

 急いでプリントアウトして、クリップで二部まとめて持って行こうとしたら、コーヒーを入れて出てきた難波さんと、廊下でぶつかりそうになった。

 あれ?難波さんの顔が怖い。これは不機嫌なときの顔。何しろわかりやすい子なのだ。