「午後からはやれると思うよ。迷惑かけてごめんね。支社長の急ぎはあと少しなの」

「頼むな」

「ええ」

 いつものことだが、同期だから許してくれる。ここに来て初めて同期だと知った。気さくでいい人。そして仕事が出来る。支社は彼のお陰で回っているんだとしばらくして知った。

 支社長の資料作りは昨日急に頼まれた。なんだかしらないけど、本社から確認する人が来るという。監査?こんな時期だったっけ?

 とにかく今日の午後までに作って欲しいと目を三角にして頼むから、フルパワーで昼休みを返上して片付けた。

 支社に来て、こんなに頑張ったのは初めてだ。これなら午後からの打ち合わせに間に合うだろう。

 大体何の打ち合わせなんだろう。詳細を全く聞かされていないのだが、ここ三年の取引内容をざっくりまとめた資料だったので正直大変だった。

 とりあえず、プリントアウトする前に、支社長に確認してもらったほうがいいだろうと頭の中で道筋を付けて、パソコンから目を離した。眉間を揉む。正直本当に疲れた。