「菜々」

「それに……総帥にはお話ししましたけど、日傘専務から、彼の側で辛いときも支えるよう言われていました。水がなくなって干からびることのないようにと言われました。私は日傘専務の蒔いた種に水と肥料をやって花を咲かせないといけないんです。まだ、芽が出たくらいですが……」

「どういう意味だ、菜々?」

「よく後で彼女から話を聞いておくんだな。私だけでなく、お前も日傘君に操られているんだよ。全く……」

「あなた、私はあなたの側にずっといることを選びましたよ。あなたのために二人も子供を産みました。それで彼のことは許してあげて下さい。彼はそれでも榊原に尽くしてくれましたよ」

「……わかっている」

「おい、菜々。どういう意味だ?」

 総帥は崇さんを見て言った。