「お花は、特に伺ったことはありませんが、お誕生日は10月20日です。総帥が毎年お花ではなくて何かしらお好きなものを聞いてお求めになられています。お二人はとても仲がいいんです」
「なるほど。わかりました」
「あまり先入観にとらわれないで、香月さんならではの視点でいいと思います。私に言われたことは忘れても怒られたりはしないですよ」
「あの、最後に……どういった方ですか?お話しとか……」
「そうですね。大きな会社のお嬢様だった方です。財閥の女主人ですからハッキリしたところもありますが、基本おおらかで穏やかな方です」
「貴重なおはなし、ありがとうございました」
「お役に立てて何よりです。頑張って下さい。それと、香月さん。以前は辛い思いをさせてすみませんでした。君を新しい役員にあのとき付けなかったのは崇さんに頼まれていたからです」
「そのことなら辰巳さんに少し聞いています。だから謝らないで下さい」