「それでついでにあなたも紹介するとかですか?御曹司らしいですね、急だったんでしょ?」

 全てお見通し。情けないことこの上ない。

「はい、その通りです」

「ははは……まあ、あの人はそういうところがありますからね。君も大変だね。辰巳君も最初は苦労していたが、途中からそういうのを受け付けないようにしたらしい。君はきっとまだ振り回されてるんじゃないか?」

「そう、なんですね。受け付けないなんて……さすが辰巳さんです。私にはおそらく無理です」

「まあ、あなたらしくやっていけばいいんです。人それぞれです。我慢しないでキチンと彼に思ったことは言ってますか?」

「あ、はい」

「それなら大丈夫でしょう。あ、話がそれました。大奥様はフルーツの入ったケーキや小豆あんがお好きです。それから、苦手なのはお酒。あまり飲まれないので、プレゼントはやめておいた方が無難です。総帥もお強くはないです」

「お花は何がお好きですか?お誕生日は何月?」