ぎゃはは、と笑う彼は、じゃあと軽く言うと消えた。
しん、と静まる教室。
「月野さーん!」
と、担任が向こうから走ってきた。
「はい、なんでしょう?」
私はキャラを戻すと答える。いくら私が問題児だからと言って、いつでもどこでも同じキャラを使っているわけではない。
「いや、最近精神状態どうかなぁ、って。十河先生も心配してたんだよ?」
私は嘘だろ、と思う。
私へ対するいじめが始まる理由を作ったあの先生が?
心配なんてしてない、あの人は。
その後、担任が何を言っていたか、覚えていない。
ただ一つ、覚えているのは。
ーーー教職とは、教師とは、結局クズが多いな。
そう思ったことだけだった。