ーーー何で、裏切ったの。
あぁ、でも、結局は人はこんなふうに、他人(ひと)を傷つけてゆくのだろう。
そう、私もーーー。


「…先生」
あの日の思いを胸に抱え、私は口を開く。

「私は、信じてはいけないモノを信じてしまった。それだけですよ。…同級生も、教師も、父といった家族でさえも…信じられるものなど、今の私にはただ一人を除いていないんです!」