「その恐れ多い俺が言ってるからいーの。ね、おねがい」
「……う」
捨てられた子犬のような瞳をされてしまうと弱い。
迷いに迷ったすえ、
「くろ、ばねくん?」
「……違う」
ムスっとしてしまった黒羽さん。
うええ、だって不敬じゃないですか。
「いまの失格。りぴーとあふたーみー、『あさひ』」
カタコトの英語でそんなことを言ってくるけど、勢いに乗ればいけるかな、と思い口を開いて、
「あさひっ……、くん」
「……うーん、まあいーや。もっかい言って?」
「……あさひ、くん」
「もっかい」
「あさひくん」
「もっかい」
「っ、あさひくんっ、」
「ん、ごーかく」