ヒジョーにおこがましいけれど、遠慮したら犯すと言われた手前断ることもできない。
「……ありがとうございます。いただきます」
「ん」
1番最初に目に入ったお寿司にゆっくり箸を伸ばす。
だいぶ昔に祖母に連れて行ってもらったことを思い出して、そのときに食べた中で1番好きだったサーモンにした。
おそるおそる取るとその輝きは度をまして見える。
うわぁ、これもう宝石みたいだよ……!
黒羽くんのおうちの照明でキラキラ輝く赤色とオレンジを混ぜたみたいな色……!
お寿司を見つめたまま感動していると黒羽さんがこっちを見ていることに気づく。
「あの、なにか……?」
「咲良の表情が面白くて」