さっきまでカフェで話していたまさかのご本人が登場。
額には少しの汗を浮かべてて、すごく焦っていることが伺える。
「おい、凪お前……」
「はは、そんな威嚇すんなよ。お前のお姫様にはなんもしてねーし」
ヒラヒラと手を振って何もしてませーんって主張する凪くん。
朝光くんが私の方をチラ、と見てきたから『何もされてないよ、』という意味を込めてコクコクと頷いた。
「……咲良、帰るぞ」
「え、ちょっと朝光くん……!凪くん、またね!」
「うん、頑張ってねー」
なにが頑張ってなんだろう……と思いつつも朝光くんにきゅ、と優しく手首を掴まれて思考を遮断された。
そのまま井口さんの運転する車内に連れ込まれる。
「朝光くん、どうしてここにいるの……?」
朝、ヤボヨーがあるって言ってたのに……。