「そうなんだ……!いいお兄ちゃんそうだね」
「ね。俺もそう思う」
イメージだけど、俐木くんすごく優しそう。
私たちと話してるとき、素直じゃないところもあるけど、空気をしっかり読んでるし、雰囲気はいつだって柔らかい、もんね。
「そーいえばさ、昼間はごめん。突然バラすようなことして」
ばらすって、朝光くんと私のこと、だよね。
「ううん。きっともう麗華のストーリーで広まっちゃってたから気にしてないよ」
凪くんは''お気に入り''としか言ってないし、変な情報が広まるよりむしろ良かった。
「……朝光、咲良のことすげー気にかけてたよ。特に妹は見張っとけって」
「そうなんだ……」
どこから漏れたのかはわかんないけど、やっぱり麗華と私の確執は朝光くんにお見通しだったらしい。