話し始めると、凪くんと俐木くんはすごく真剣に私の話を聞いてくれて。
びっくりしたり、笑ったり。
2人とも感情の変化がすごい。
朝光くんのことを信頼しているんだということが、こっちにひしひしと伝わってくるくらい。
素敵な仲間がいていいな、と朝光くんを少しだけ羨ましくも思った。
話すのに夢中になっていて、あっという間に時間が経っていたみたい。
「……あ、もうこんな時間。俺、妹の迎えがあるんで帰りますね。これ、お金です。2人で楽しんでください」
俐木くんがスマホを見て席を立った。
妹さん、いるんだ……!
迎えってことは保育園に通ってる小さい子なのかな。
「ん、ばいばい」
「俐木くん、ばいばい……!」
テーブルにお金を置いて店を出ていった俐木くん。
た、食べるの速すぎる……!
私のお皿、まだ3分の1くらい残ってるよ。
「あいつ、5歳の妹がいるんだよね」