「凪くん。私、車待たせちゃってて……」


「ああ、井口さんでしょ?ちょーどいいや。乗せさせてもらお」


行けないかも、という言葉は凪くんに遮られた。


なぜか彼の口から''井口さん''という単語が出てきたことに疑問を覚えつつも、凪くんを追いかけて車の方へ行く。



「あ、井口さんお久しぶりでーす」


「はい。凪様ですね。お久しぶりです」


「突然なんですけどー、俺と咲良と俐木、車で駅前のカフェまで連れてってもらえませんか?」


「構いませんよ。ではお乗り下さい」



え、ええ……!
凪くん井口さんといつ知り合ってたの……。



2人が知り合いだったことにびっくりしつつも車に乗り込む。


また高級感あるジャズが流れていて、落ち着いた雰囲気の中で凪くんに話しかけた。