「ちょっと待って。私、朝光くんにそもそもぞっこんされてない(?)し」


ぞっこんされてないってなんなんだろうって思いながらも言い切った。
日本語、絶対おかしいよね。



「「それはない」です」


「えぇ、」


2人の声がぴったり重なったから引きつった笑いが出てしまう。
……朝光くん、多分私のことおもしれーくらいにしか思ってないよ?


それに私、朝光くんのことなんか全然分からない。



「朝光くんのことなんて、むしろ私が知りたいくらい、だよ」


「この人以上に知ってる人いないでしょ……」


「ごめん、聞こえなかった……。もう1回言ってくれる?」



ぼそ、と俐木くんがなにかを呟いて、それを上手く聞き取れなかった私。

聞き返したけど、何もないです、と一蹴されてしまった。