「ううん!こちらこそ本当にありがとう。ごめんね、その仕事増やしちゃって……」
「んーん。じゃあ帰ろっか」
「俺もお腹空いたんで早く帰りたいです」
門までの短い距離を3人で歩く。
2人ともすごく気さくで優しい。
暴走族の幹部だなんて信じられないほどに。
昼間の教室での凪くんの姿を見てるから信じざるを得ないけど。
「てか、朝光くんは咲良先輩にぞっこんですよね。あの人、どんな感じになるんですか?」
「え、それ俺も知りてー」
「っえ、」
急に朝光くんの話になって心臓が跳ねた。
「やっぱ笑うんですか?いつものあの薄っぺらい笑いじゃなくて、なんか心から笑ってる感じ」
「あいつ好きとかいう?うわ想像できねー」
2人から質問責めにあってあたふたしてしまう。