「どっちでも、いいでしょ。弘樹くんには関係、ないよ……」
勇気を振り絞り、私はあなたと喋りたくないですって気持ちを全面に出して声を出す。
だけど、弘樹くんはそんな私が気に入らなかったみたい。
「は、付き合ってんの?最近俺と別れたばっかなのに?」
ぎりっと私の手を掴む力が増した。
「ねえっ、弘樹くん痛いよ……、やめて……」
「こんな早く付き合うってことは、浮気してたってこと?あいつと?」
なにを、言ってるんだろう。
私は朝光くんと浮気なんかしてないし。付き合ってもないし。
ていうかそもそも浮気したのは弘樹くんの方だよね?
弘樹くんはなにに怒ってるのか、なにがしたいのか、何一つ分からない……。
「あんなやつ、別れた方がいいって。顔だけだよ。咲良は多分、遊ばれてるだけだよ」