今度は本当の王子様スマイルをして凪くんは教室から出ていった。

そのタイミングで英語の先生が入ってきて、タイミングもいいのか悪いのかチャイムが鳴って。


さっきまでの凍った空気は溶けて、いつも通りの教室に戻った。


麗華はずっと唇を噛んで悔しそうな顔をしながら取り巻きの子達と話している、けど。



さっきの凪くんの言葉を脳内で思いだす。


凪くんの話によると、どうやら私は朝光くんに気に入られているらしい。
そんなことを聞くと、どうしようもなく嬉しくなってしまう。



……ううん、違う。

凪くんの言っていた''お気に入り''はきっと、
''玩具''としての''お気に入り''。