昨日の朝光くんは、結局最後までしてこなかった、みたい。
でも私はあんなに緊張していたのに、あっけなく朝光くんの熱に溺れてしまった。
ほとんどキス、だけだったけど恐ろしいほど気持ちよくて。
朝光くんも私を物のように扱ってたわけじゃなくて、むしろすごく大切にするような言葉をかけてくれたり、抱きしめてくれたり。
昨夜の熱を思いだすだけで心臓の鼓動が速くなる。
……私の思考、朝から朝光くんのことばっかだなぁ。
キーンコーンカーンコーン
やっと授業終了のチャイムがなって、皆が席を立ち出して放課になる。
一限が終わったばかりなのに、一瞬で騒がしくなる教室。
昨日、朝光くんと共に寝不足の私の頭は少しだけ痛む。
「ちょっと、咲良!聞いて、すごいことになってるよ!?」
「な、ななちゃん……?」