「あいつはタイミング狙ってんのかよ」


あ、はは。確かにいつも絶妙なタイミングで来る気がする。

なで、と私の頭を優しく撫でて。


「行ってくんね、」



それだけ言ってから家から去っていった。


朝光くんの姿がなくなってから、3秒後。


私は顔を1人で真っ赤にさせる。



「むしろ、なんて、……」



朝光くんにキスされそうになったとき、私はなんて思おうとしたんだろう。

決して嫌な気持ちではなかった、けど。



なんだか答えを探すのが怖くて、考えないようにしてしまった。



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……というのは全部、今朝のハナシ。


回想しながら眠たい数学の授業を受ける。



ごし、と目を擦ると昨日朝光くんに『目、腫れるから擦んな』と言われたことを思い出して、パッと手を離した。