気が付いたらわたしの両足の間に御影さんの左足があって身動きを取ろうにも取れない。
ああ、どうしよう。
ドキドキが最高潮に達していておかしくなりそうだよ。
これから御影さんが何をしようとしているのかくらいわたしだってもうわかっている。
それでも拒否しないのは御影さんにならすべて捧げたいって思えるから。
「……いいの?このままだとほんとにもらっちゃうけど」
こんな直前になってわたしの気持ちを確認してくれるところが優しい。
わたしは縋るように御影さんの首に腕を回して自分の胸にそっと引き寄せて「……御影さんにもらってほしいです」と小さな声で呟いた。
「はあ」
すると、御影さんの大きなため息が聞こえてきて急いで腕を離した。
き、キモいって思われたかな?
わたしが御影さんのことが好きだけど、御影さんは違う。
好きでもないやつからそんなこと言われても恐怖でしかないよね。