そんな自分が嫌になって足元に視線を落とし、スカートの裾をぎゅっと握る。

いくら借金返済のためって言ったって、やっぱりわたしが御影さんと結婚なんて釣り合ってないんだよ。


「もっと相応しい人がいるとかなんでどこの令嬢でもない女なんだって思ってくれたっていい。別に最初から祝福してほしいと思ってねえし」


いきなり硬い口調から砕けた口調になり、気怠そうに片手をポケットに突っ込んだ。


そうだよね。

御影さんにとって、この結婚はどうでもいいようなこと。


いつか誰かと結婚しないといけないからしたまでの話。

それがなぜかたまたまわたしだったってだけ。


わかっているのに、どうしてこんなに泣きそうな気持ちになるんだろう。


「ただ、優生を傷つける奴は地獄に堕とす。死んだ方がマシだって思うくらいの生き地獄にな」


その言葉に反応して弾けるように顔を上げた。

だって、まさかそんなこと言ってもらえると思っていなかったんだもん。