聞き覚えのあるその声にパッと視線を向けるとそこにいたのは学校でもよく話しかけてきては雑用を押し付けてきたり、バカにしてくるスクールカーストが上のクラスメイトだった。


なんでもお家が超が付くほどお金持ちらしい。

つぼみちゃんが怖い顔して話してた気がする。


その瞳はもうすでにわたしのことを見下しているような目でこんなところで会っちゃうなんて運が悪いな、なんて呑気なことを思う。


「えっとあの、」


妻です、と言っていいのかな。

パーティーまでは公言しないように言われていたけどもういいのかな。



「なに?聞こえないんだけど。ここは庶民の来るところじゃないの。帰りなさい」


「わたしは御影さんの……」


「うるさい。目障りなのよ」



妻だと言おうとした瞬間、その言葉と共にビシャッと音がした。着ていた淡いピンクのワンピースがどんどんオレンジに染まっていく。