ヘアメイクが終わり、御影さんが待つロビーに向かう。


どんな反応されるのかな……?


さっき鏡に映る自分をみたけど、見違えるように可愛く、そして綺麗になっていて、本当に自分なのかと疑ったほどだった。


「遅かっ……」


そう言いながら、スマホからわたしに視線を移し、彼は言葉を止めた。


な、なんで何も言ってくれないの!?

やっぱり、変だよね。
だって、いつものわたしじゃないもん。



「どうでしょうか、御影様。元からお綺麗でしたのであまり手は加えていませんが、より素敵になられましたよね」


「……」



店員さんが話しかけてくれてるのにも関わらず、御影さんは何も言わず無言のまま、わたしをジッと見つめる。

そして、ソファから立ち上がりこちらにきてたった一言「馬子にも衣装ってやつだな」と言い、外に向かって歩き出してしまった。


「ふふっ……あいかわらず素直じゃないですね。それでは奥様、パーティー楽しんできてください」


そういうと、店員さんは優しい笑顔で見送ってくれた。