きっとわたしがパーティーなんかに参加しないと言っても、ここに連れてきて意地でもパーティーに参加させるつもりだったのかな。


たぶん、一緒の家で過ごしていてなんだかんだ言いながらもわたしがパーティーに参加することを少し楽しみにしていたことを知ってくれていたんだろうな。


そういう彼の優しさにトクンと鼓動が小さく高鳴った。



「そうだったんですね。嬉しいです」


「私も彼を幼い頃から知っているのですが、あんな真剣にドレスを選んでいる彼を見るのは初めてで、なんだか嬉しかったです」


「ふふっ。御影さんはとても優しい人ですもんね」



わたしがそう言うと、店員さんは少し驚いた表情を見せた後に優しくにっこりと微笑んだ。



「御影様が奥様のために必死にドレスを選ぶ理由が少しわかる気がします」


「え?」


「いえ、こちらのお話です。ヘアメイクもさせていただきますので、あとは我々にお任せ下さい」



それからわたしはドレスを着て、髪もアップヘアにしてもらい、最後にドレスに合ったメイクをしてもらった。