借金を全部支払ってくれるとか何とか……。


いやでもなんで御影様がわたしの借金を肩代わりしてくれるの?


なんのメリットがあってそんなこと。

デメリットしかないのに。



「ただし、お前が俺と結婚することが条件ね」


「け、結婚……!?」


「そ」


人生を左右する言葉なのに彼の表情は何一つ変わらず、無表情のまま。


ほ、本気で言ってるのかな?

だって、借金持ちの女と結婚してどうするの?

御影様みたいな人はもっと美人でお金持ちの女性と結婚するのが理想なんじゃないの?


なんでわたしみたいなやつと……。



「なんでわたしなんですか……」


「んー、なんとなく」



不敵に微笑んだその笑顔にドキリと心臓が跳ねた。


いい意味ではなく、悪い意味で。

絶対に何か裏があるに違いない。

結婚して都合のいいように使われるかもしれない。



「わたしみたいなやつと結婚しても御影様にメリットなんてないですよ」