「……え?」
わたしが言葉を言い切る前に御影様が言葉を被せてきた。
それにしても、今なんて言った?
驚きのあまり、ぽかーんと口を開く。
まさしく開いた口が塞がらない。
「いつまでそんなマヌケな顔してんの」
不思議そうにわたしの顔をじっと見つめてくる。
そんな綺麗な顔に見つめられると、耐性のないわたしの鼓動はすぐにうるさく音を立てていく。
ていうか、わたしの人生をもらうってどういうこと!?
まるで結婚するみたいに聞こえるんだけど。
「いや……えと……その……わたしには借金がありますし……」
ちょっと何言ってるのかわからない。
相手は天下の御影様なのに。
どうしてわたしなんかに興味を持つんだろう。
暇つぶし?
確かにわたしみたいなやつは彼の周りにはいなさそうだもんね。
「俺がお前の借金を全部支払ってやる」
「……?」
えっと、今なんかすごいこと言われたような気がするのはわたしだけ?