「優生、好きだよ。世界中の誰よりも」



とろけてしまうくらい甘い表情で言うなんてズルい。

おかげでわたしの心臓はばくんばくんと早鐘を打ち始めた。



「わたし、琉世さんを好きになってよかった」



あの日、琉世さんに人生を捧げて正解だった。


こんなにも幸せな日々が待っているなんて知らなかった。


きっとあのままだったら愛し、愛されるということがこんなにも温かくて愛おしいものだなんて知らずに生きていた。


全部、全部、琉世さんのおかげ。



「お前は俺に落ちる運命なんだよ」



そんな言葉が聞こえた数秒後、愛おしい人の顔が近づいてきて二つの影が重なった。



――――今宵、甘い影に誘われて


End.