「優生、ずっと俺のそばにいてください」


「っ、」



差し出されたのは大きなダイヤのついた指輪だった。



「……返事は?」



こてん、と首を傾けながら遠慮がちに尋ねてくる琉世さん。

そんなの、もちろん。



「はい……っ」



もう結婚はしているからこんなふうにプロポーズみたいなことをされるとは思ってもいなかった。


嬉しさが胸から込み上げてきてそれが涙に変わる。



「プロポーズとか何にもしてやれてなかったし」


「そんな、よかったのに」


「俺がお前の喜ぶ顔見たかっただけ。指輪はまた二人で選びに行こう」



そう言って、柔らかく微笑んでくれる琉世さんの腕にぎゅっとしがみついた。