さらに周りをぐるりと見渡すと赤、青、黄色、緑、紫…と色とりどりの光が花壇から放たれており、いつの間にか辺りは光の海になっている。
「まだ冬じゃないのにどうして……」
「イルミネーション好きなんだろ?」
「え?」
もみの木の後ろから真っ赤なバラの花束を持ったスーツ姿の琉世さんが現れた。
なんでここに……!?
仕事に行ってたんじゃなかったの!?
驚いて声が出せずにいると、琉世さんが花束をそっとわたしに渡してきた。
「あの、琉世さん」
「俺はお前を死ぬ気で探し出してほんとに良かったと思ってるよ」
わたしの言葉を遮って、彼はそのままわたしの前に跪いた。
そして、ポケットから何かを取り出し蓋を開けるとわたしに差し出した。