「お父さん、お母さん、お兄ちゃん。わたしの大切な人を連れてきたよ」



お墓の前にしゃがみ込んで、ふっと目を細めてそう言った。


その横で琉世さんは何も言わずにわたしと同じように座った。



「御影琉世と申します。優生さんを一生幸せにします。どうか温かく見守っていてくださると幸いです」



琉世さんは真剣な表情でそう言うと深々と頭を下げた。


その言葉がやけに心に染みてなんだか泣きそうになってくる。



「ほんとはね、ここに来るときはいつも死にたいって思ってた」



気づけば、そんな言葉が口からぽろりとこぼれていた。

隣から琉世さんがじっとこちらを見ているであろう視線を感じながらも言葉を続けた。