「そんなことって!」
あれは御影家に代々受け継がれている大切なリングなのに。
そんなことって……。
「そんなことだろ」
当たり前かのようにそう言うと、琉世さんは自分の指にはめられているクリスタルリングを外し、ゆっくりと立ち上がるとそれをゴミ箱に捨てた。
「な、なにやってるの……!?それは代々受け継がれてる大切なものなのに」
ゴミ箱に捨てるなんてとんでもないことだよ……!?
失くしたわたしが言えることじゃないけど。
「いらない。俺はお前しかいらねえんだよ」
「っ、」
今度はわたしの隣の椅子を引いて腰を下ろした琉世さん。
まっすぐにわたしを見つめながら言葉を続ける。