それでも何も言ってこないってことはわたしから言うのを待ってくれているってことなのかな。
そうだとしたら、ちゃんと勇気を出して言わなきゃ。
「わたし、クリスタルリングなくしちゃって……っ。それで毎日探してて……それでも見つからなくて……っ」
怖くなったわたしはぎゅっと目を瞑って、机の下でスカートを握りしめ、俯いた。
琉世さんの顔が見れない。
どんな顔をしているんだろう。
呆れた顔?
怒った顔?
絶望した顔?
「なんだ。そんなこと?」
思っていた反応とはまるで違う言葉にパッと弾けたように顔を上げた。
見上げた視線の先で琉世さんは何ともないような表情で頬杖をついていた。