この業界にいると、嫌でもそんな噂話を耳にする。
でもそんなの所詮誰かの流した嘘だと思っていた。
だって、優成は何にも変わらなかったから。
俺に縋ったり、弱さを見せたことなんて一度もなかった。
だから、今俺の目の前で悲痛に満ちた表情で話す優成を信じられなかったんだ。
『それで昨日の夜、たまたま聞いたんだ。家族で無理心中しようって父さんが母さんに話してるところ』
優成はそう言うと、ふっ、と諦めにも似たような表情で口元を緩めた。
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